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 大和市太極拳協会

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競技としての太極拳

 一般にはあまり知られていませんが、太極拳には競技があります。そこでは得点をつけ順位を決めます。市大会があって、県大会があって、全日本大会があります。このページではルールや様子を紹介します。
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 競技としての太極拳は、おおざっぱに言って、シンクロナイズドスイミングや新体操の規定演技に似ています。というのはつまり、敵と拳を交えて戦って勝敗を決めたりはしません。選手は決まった動作を披露し、5人の審判は減点式で評点を下し、その中3人の平均点を最終得点とします。最終得点の一番高い人がその種目の1位になります。種目は人数で大別してソロ(個人)、デュエット(推手)、集団があります。二人で表演する推手の場合も、内容的には二人は戦っているという想定ですが、動作は事前に決まっており二人は1チームとして参加して1つの得点が与えられます(世界にはそうでないものもあるようですが)。

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 競技としての太極拳の様子をビデオでご紹介します。ただし、これらのビデオは大和市太極拳協会の選手のものではなく、当協会に著作権があるものでもありません。
 一つ目のビデオは個人種目の例です。2007年の全日本武術太極拳選手権大会の自選難度競技で優勝した宮岡愛選手の動画が YouTubeにアップされたもののようです。全日本連盟の記録によれば9.83という神の領域の得点が出た表演です。市大会や県大会で普通よく見られる得点は8.3から8.7ぐらいですから、この得点がいかに並外れたものかおわかり頂けるものと思います。ちなみに、この套路はオリンピックのような世界的な大会向けに考案された特に難しい套路です。大和市協会でこの套路を練習している人はいないのではないでしょうか。



 次のビデオは2007年の岡山県太極拳連盟主催の交流競技大会の模様がYouTubeで公開されたものです。集団太極拳の例として、大人数のチームの24式太極拳の表演を見ることができます。また、審判も映っていて、競技大会の様子を知ることもできます。ちなみにこちらは前編であり、後編はこちら

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 競技は下の図のように審判が配置されたコートで行われます。個人種目の場合には表演は二人ごとに行われるのが一般的で、前の選手をA選手、後ろの選手をB選手と呼びます。前の審判席に座る審判長が上げた旗を下ろした時がスタートで選手は套路を開始し、套路が終わった時点でそれぞれ退場します。この図では選手がコート内にいますが、実際には両選手が退場した後に審判長の号令によって5人の執行審判員が得点を表示します。

 表演の評価は、非常におおざっぱに言えば、動作の正しさと美しさについての減点法で行われます。満点が10.0で、たとえばバランスを崩せば0.1から0.2の減点といった具合です。より詳しくはこちらにルールの詳細を紹介していますのでご覧下さい。また、時間制限があり、時間が少なすぎても多すぎても減点されることがあります。
 得点は、まず上図のように、コートを取り囲む5人の執行審判がそれぞれがつけた得点を表示します。 その得点のうち最大点と最小点を一つずつ取り除き、残った3つの得点の平均値を計算し、少数第3位を切り捨てて最終得点とします。複数の選手の最終得点が一致した場合には、細かいルールがあるのですが、考え方としては「5人の執行審判の得点がまとまっている方が勝ち」であるようです。

 太極拳と一概に言っても競技種目は幾つもあります。それぞれの種目において得点で優劣を競って順位をつけ、入賞者を決定します。種目の一つの分け方は先に述べたように選手数で、個人、推手、集団と分かれます。個人では男女は別の種目となります。そして太極拳の種類(套路)によって種目が異なります。さらに、太極拳の種類が同じであっても、年齢によって種目を分けている套路もあります。 たとえば24式太極拳の場合は、次のように分かれます。

種目年齢
24式太極拳A満60歳以上
24式太極拳B満40-59歳
24式太極拳C満39歳以下

   このように套路と年齢層によって種目が分けられているわけですが、種目によって出場選手数が大きく異なります。たとえば2009年神奈川県大会の場合で言いますと、出場選手数の分布は下図のようになっていました。

選手数の分布

 この図を見てわかることは、まず、女子の選手の方が男子よりも倍ぐらい多いということです。次に24式のグラフを見てみると、AとBが多くCが極めて少ないことに気づきます。そして、総合や48・88式は24式に比して出場選手が圧倒的に少ないということもわかります。48・88式が年齢別になっていないこと、総合でABが同じ種目にされていることには、こういったところに理由があります。
 また逆に、このような種目編成になっているから総合や48・88式には出にくくて24式しか出るものがないという選手も多いのではないでしょうか。というのは、総合ではABが同じ種目にされているから幅広い年齢層が同時に比較されてしまうという問題があります。48・88式には套路を自選しなければいけないという難点もあります。
 このような偏りが、もっとたくさんの人が大会に出るのをためらう原因になっているものと思われますので、競技としての太極拳の発展のために再検討されることを望みます。(2009年7月時点)

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