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 大和市太極拳協会

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映画の中の太極拳(2)

太極神拳



太極神拳
作成:1996年 香港
監督:ユエン・ウーピン
主演: ジャッキー・ウー(呉京 ウー・ジン)
出演: ユー・ホイ(于海)など
画面を見ると中国での原題は「太極拳」であるようだが、 日本公開時のタイトルは「マスター・オブ・リアル・カンフー/大地無限2」、DVD化してタイトルを 「太極神拳」と変えたようだ。 さらにアメリカでのタイトルは「Tai Chi2」、イギリスでのタイトルは「Tai Chi Boxer」といった具合にマーケティングが一貫していない。


清朝末期、アヘン戦争の時代、外国に食い物にされている中国。 太極神拳(という邦訳だが中身は太極拳)の師匠のやんちゃな息子である主人公が、 アヘンを流通させ暴利をむさぼっている悪徳外国人を懲らしめる、シンプルなストーリー。 主人公は太極拳の師匠の息子であるので、基本的に使う武術は太極拳であり、 白鶴亮翅や搬欄捶など台詞の上でもアクションの上でも太極拳はよく現れる。 速いので判別するのが難しくはなるが、 クライマックスのアクションでも採とか野馬分鬆とか粘勁とかやっているように見える。 ただ 主人公が剽軽な性格をしており、 本気なのか冗談なのか「弁髪拳だ!」と叫びながら 弁髪を振り回すのが必殺技になっていて、 太極拳の扱いが中途半端のようにも思える。 本作は 『「マトリックス」のユエン・ウーピンがカンフーをアートに変えた』とか 『カンフーは今、アートに変わる』といった売り文句で売られているのだが、 「マトリックス」を少しでもイメージして見ると失望することになる。 ストーリーもアクションもラブコメじみたユーモラスな雰囲気もすべての点で 今や古典的なジェット・リーの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」に 非常に近い。古き良きカンフー映画と言うこともできる。 太極拳の扱いも弁髪拳でちゃかされてしまっているので、 それではこの映画はお薦めできないかというと、そうでもない。

主演する ウー・ジン(公式HP) は、 手足が長く武術も伸びやかで本格的、演技も自然だし、しかも顔も良くて若い好青年という、 いいところばかり。本作品は彼の爽やかな魅力が存分に楽しめる作品になっている。 これから彼は本格カンフーアクションスターとしてジェット・リーやジャッキー・チェンの 次の時代を担っていくことと思われるが、 現時点ではまだ主演映画があまり日本では公開されていないし、 最近はインビジブル・ターゲットSPLなど無表情な悪役を演じるばかりなので、本作は彼の明るい魅力を楽しめる数少ない作品であると言える。

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