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こちらは映画ではなくテレビドラマシリーズ(原題「太極宗師」)であり、日本では全4巻のDVDボックスとして販売されている。
父と喧嘩して家出した楊?足乾(ウー・ジン)が武術の師匠となる人を捜して旅をし、
伝説的太極拳発祥の地、陳家溝にさまよいこむ。
その村は陳正英(ユー・ホイ)という太極拳の師匠が村長になり、
一族だけで太極拳を伝承する隠し里であった。
師匠はかつて因縁があって皇帝の恨みを買っており、この村に隠れていたのであった。
太極拳の奥義は男子にしか教えないという家訓があるため師匠の娘である陳少?脈は、
村人に対しても女子ということを隠し常に男装して暮らしている。
物語は、?足乾と少?脈の恋愛、皇帝と師匠の因縁を織り交ぜて進んでいく。
1巻末から2巻まで陳家溝を舞台としており、
秘伝されている太極拳が物語の中心を成すため、
陳式太極拳がしっかりとたっぷりと出てくる。
アクションシーンでも太極拳が使われるが、
練習風景でも陳式の套路練習だけでなく、
推手、太極剣もありバラエティも豊かである。
師匠の教えも、
力を抜けとか重心をしっかりしろなど
日本での普段の太極拳の練習でもよく言われている通りのことであるので、
太極拳を練習している人にとってまったく自然な扱われ方をしている。
4巻では強敵との試合が長時間を占めているが、この攻防で両者の接触時間が長く
立ち関節技が多用されており推手のような動作になっていて興味深い。
武術としての太極拳がとても自然に描かれており、
「太極拳の映画」として最も見やすいものだと思う(映画でなくテレビドラマであるが)。
ストーリーも陳家溝の場面設定もほとんど創作なのではないかと思われるが、
陳式太極拳発祥の地、陳家溝をイメージする助けになる。
中国の田舎の一農村である陳家溝でこのようにして伝承されていた陳式太極拳が
世界に広まり、日本でも私たちが練習するところになったことだとすると感慨を感じる。
ウー・ジンは太極神拳と同じさわやか好青年モードで、見ていて気持ちがよい。そんな彼の太極拳がたっぷりと見られる。
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